平成29年度前期天章堂講座

以下の講座を継続して募集いたします。
※定員になり次第募集を締め切ります。
お申込み電話番号:029-826-1101
 

7 村上春樹の世界

講座概要
1980年代から現代日本を代表する作家となり,現在では世界各国で幅広く読まれている村上春樹の作品世界を探っていく。全共闘世代の一人として「60年代」をいかに葬るかというモチーフをもって展開していく『風の歌を聴け』から『羊をめぐる冒険』に至る三部作を書き終えた後,村上は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』や『ダンス・ダンス・ダンス』などで高度資本主義社会,情報社会における個人の主体性の危うさを問い,90年代半ばからは『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『アフターダーク』などによって戦争や侵略によって織りなされた日本とアジアの間の歴史を批判的に主題化する作品を世に送り出していった。現実と超現実を交錯させる物語に,村上の社会や歴史に対するどのような批判意識が込められているかを軸に眺めていきたい。

①7/21 交錯する過去と現在:
『風の歌を聴け』『ノルウェイの森』を中心として,60年代から70年代への時代の転換がどのように物語化されているかを眺める。
②7/28 情報社会と自己:
『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』を軸に,情報化が進む現代社会のなかで個人の自我,主体性が危機に晒される様相を捉える。
③8/4 ポストモダンへの断罪:
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『海辺のカフカ』を中心として,村上の世界に次第に浮上してくるポストモダン的現代
への批判的表現を検討する。
④8/11 アジアへの眼差し:
出発時から村上の世界に存在する中国を中心とする〈アジア〉の表象の意味を『ねじまき鳥クロニクル』『アフターダーク』を中心に探っていく。
⑤8/25 ロマン主義への回帰:
70年代以降のポストモダン社会への批判的眼差しが強めるにつれて村上の作品世界にせり上がってくるロマン的なものへの志向を主に『1Q84』を対象として捉える。

曜日:金曜日
時間:14:00~16:00
回数:5回
受講料:3,000円
講師: 柴田 勝二(東京外国語大学 教授)
 
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